【危険】フラット35を投資用マンションで利用したらどうなるか
以前より問題になっているフラット35の不正利用、今回は一連の問題について解説したいと思います。
◆本記事の目次 |
1.フラット35の不正利用とは 2.不正利用を行う理由 3.不正利用はなぜばれる 4.発覚したらどうなる |
1.フラット35の不正利用とは |
フラット35の不正利用を理解するために、まずはフラット35の本来の目的を知る必要があります。
フラット35とは、『自身またはその親族(親・子など)』が『居住用』として不動産を取得する為のローンです。
つまり、それ以外の目的でフラット35を利用している場合には、不正利用している可能性が高いです。
例えば、下記のようなケースはフラット35の不正利用に該当します。
①自ら居住するつもりはなく、投資目的で不動産を取得する。
②自動車の購入費用など住宅取得費以外の費用を上乗せして申し込む。
③消費者ローンなどの返済に充てる費用を上乗せして申し込む。
これらはあくまで不正利用の一例です。ほかにも様々なケースが考えられますが、自宅の購入以外の目的での利用は基本的にすべて不正利用になります。
2.不正利用を行う理由 |
ではなぜ、あえて不正なフラット35の利用を行ってしまうのでしょうか。
これには2つの理由が挙げられますが、結論を言ってしまうとその方が斡旋する不動産会社にとって都合がよかったからです。
①金利が低い(不動産営業マンにとって営業トークになります) ②(そもそも)斡旋している不動産業者がいる |
①金利が低い
住宅ローンは投資用のローンやその他のローンに比べて低利子での利用が可能です。
その中でもフラット35は、他の住宅ローンと比較して、審査に通りやすい傾向にあります。そのため、住宅ローンの中でもフラット35を利用しての不正が横行してしてしまいました。
令和4年3月現在、フラット35の金利は1%台の前半を推移しており、その他のローン(投資用不動産、マイカーローン、消費者ローン等)と比較し、圧倒的に低金利の状況が続いておりです。またフラット35の中には、フラット35Sという更に金利優遇が受けられるものもあり、一時期は限りなく1%に近い金利で利用することができました。
②斡旋している業者がいる
フラット35の不正利用で一番の問題は、フラット35を実際に利用している人に、本来はそのような知識があるはずがないのに、実際に起きてしまっていることです。知っていて利用した投資家もいるようですが、初めて不動産投資を利用する人の中には、住宅ローンで不動産投資をしてはいけないということを知らない人も居ました。
残念ながら、不動産を売りたいがために、「みんなやってますから」「金融機関にはわかりませんから」などと、一部の不動産業者が無責任に斡旋してしまっている事実があります。
利用者の中には金融機関から通知が来るまで、自身が不正利用をしていた認識すらなかった方もいます。
もちろん、不正利用が発覚してもその不動産会社が斡旋した証拠はありません。もちろん責任も取ってくれません。
以前からこの点は問題視されていましたが、投資用物件のローンにも拘わらず、住宅ローン「フラット35」を利用して購入しているということで制度変更がされることとなりました。
「第三者に賃貸した場合は、債務の全額を一括で返済していただくことがあります。 」
参照:2020年4月【フラット35】制度変更のお知せ
https://www.flat35.com/files/400352273.pdf
明記されているように違反した際は、ローンの一括返済があるということです。実際に何千万円の金額を一括返済するよう請求された人もいます。
3.不正利用はなぜばれる? |
では、なぜフラット35の不正利用はどのようにして発覚してしまうのでしょうか。
理由は様々ですが、多くの場合は下記のどちらで発覚しています。
①金融機関が送った郵便(または郵便調査) ②悪質な不動産会社等に対する調査 |
①金融機関が送った郵便
真っ先に不正利用が疑われるのは、物件の住所と本人の現住所が異なる場合です。
住宅ローンを不正利用して、賃貸に出している場合、そこには他の入居者が住んでいるため、郵便物は届きません。
金融機関はフラット35の利用者にローン残高などの郵便物を送ることがあります。宛先の住所に受取人が居住していない場合は不着として金融機関に差し戻されるため、契約者の居住実態について調査をすることになります。(調査の為、郵便を送る場合もあります。)
なお、仮に転送の届け出を提出いたとしても、金融機関が転送不要で郵便を出していた場合は、転送されず差し戻されます。
②悪質な不動産会社等に対する調査
不動産会社が会社ぐるみで、あるいは営業担当者が単独で、契約者を唆してフラット35の不正利用を行っているケースがあります。
何かのきっかけでその不正利用が発覚した場合、その会社、または担当者が担当した物件に全件調査が入ることになり、芋づる式に多数の不正利用が発覚することがあります。
4.発覚したらどうなる? |
本来、自身で住むための不動産を取得する為のフラット35を、投資用不動産のローンに利用してしまうことは非常に危険です。
契約違反と判断されれば、金融機関側からローンの一括返済を求められます。
その後、利用者が取れるべき方法は下記のいずれかになります。
①借入金の一括完済 ②不動産を売却+ローンの不足分を持ち出しで返済 ③自分が住む ④自己破産 |
①借入金の一括完済
金融機関に指示された通り、残りのローンを全額返済することです。しかしながら、ほとんどの方が数千万円のローンを抱えており、この選択肢をとれる方は少ないです。
②不動産を売却+ローンの不足額を別途用意して返済
購入した不動産を売却し、その売却資金+不足分の資金を用意して完済する方法です。この場合でも
✓不動産は売却時にも費用が掛かる
✓早急に売る必要があり思っているような金額で売れない
✓そもそも購入時にかなり高額で購入してしまっている場合がある
これらの理由で、売却資金とは別に数百万円~千万円以上が必要になる可能性があります。①と比べればまだ負担は減ります。しかしながら、それでも現実的に選択することはかなり厳しいです。
③自分で住む
フラット35の本来の目的である『居住用』として利用するという方法です。
✓賃貸中の可能性が高い
✓1Rや1LDKの物件がほとんどの為、広さや間取りが合わない
✓自宅から遠方の不動産を購入してしまっている
と、そもそも現実的に住むことができない可能性の方が高いです。
④自己破産
残念ながら、どうすることもできず、この選択をされる方もいます。
任意売却コールデンターでは、もし自己破産を選択せざる負えない状況になってしまった方を少しでも助けることができればと、任意売却をご提案させて頂いております。
発覚した不正利用の中には、不動産会社の営業担当者から言葉巧みに勧誘され、契約してしまったというケースもあります。しかし、不動産投資は1つの事業であり、あくまでも自己責任、知らなかったでは済まされません。
今の状況を打開できるのはあくまでも自分自身なのです。
もしあなたが自分自身の力で現状を変えようとするのでしたら、任意売却コールセンターがお手伝いさせて頂きます。